新潟でいきいきと暮らすための
情報がたくさん

皮膚科専門医に聞く 美肌の守り方 ② 「シミ、シワ、たるみを防ぐ」

カテゴリー 医療・介護美容・健康

肌の悩みというと「シミ」「シワ」「たるみ」を挙げる人が多いのではないでしょうか。できるのであれば、未然に防ぎたいですよね。皮膚科専門医で野本真由美スキンケアクリニック総院長の野本真由美先生に、予防方法を伺いました。

肌の老化と疾患を区別しましょう

シミとシワとたるみ。この3つはすべて老化ではないのです。シワとたるみは加齢に伴って生じる自然な老化現象。一方シミは皮膚の疾患です。

シワとたるみの原因は3つあります。

  1. 骨の萎縮(骨粗鬆症)
  2. 皮膚の下垂(重力で下がる)
  3. 筋肉の拘縮(固くなる)

この3つのどれか、ないしは全部がそろうと老化現象としてシワやたるみが起こります。

シミはできやすい人とできにくい人がいます。皮膚科に限らず歳とともに疾患のリスクは上がっていくものですが、長年日に当たっていると皮膚疾患を誘発しやすくなります。歳を取るほどシミが出やすくなるのはこのためです。病院に行ってもすべての病気が治らないように、シミも治療すれば必ず治ると言い切ることはできないのです。ですから、シミは予防することがとても大切です。

肌のために自分でできること

肌の悩みを減らすには、日常の生活から気をつけていくことが大切です。骨の萎縮、肌の下垂、筋肉の拘縮などは、皮膚を含めて全身が関与しているためです。

● 骨の萎縮

骨粗鬆症の対策が大切です。そのためには、運動をすることと、ビタミンDを維持すること、この2つが重要です。骨の対策としての運動は「振動」がキーワード。自転車や水泳では振動が少ないので、歩く、走る、縄跳びをする、踊るほうが骨にはよい運動です。またビタミンDを作るためには、紫外線に当たって皮膚に産生させるか、食事やサプリメントで補うかになります。紫外線に当たると皮膚の老化が進んでしまうので、ビタミンDは医療用サプリで補うのもおすすめです。

● 肌の下垂

こればかりは重力のあるところに住んでいる限り抵抗はできません。顔を支えている支持組織は緩んでしまうと治療がどんどん難しくなるので、たるみが気になる人はコツコツと皮膚を引き締める治療を続けるとよいでしょう。睡眠不足の人は起きている時間が長く、それだけ重力が長くかかるので、しっかりと眠ることもおすすめします。スマホを見てずっと下を向いているのも悪影響です。

● 筋肉の拘縮

筋肉を拘縮させないために、適したストレッチをしましょう。顔でいえば、よく笑うことです。マスクの下で笑わないでいると、顔を下に引っ張る筋肉が拘縮して顔が長く見えるようになります。ただ、筋肉は鍛えすぎても拘縮します。美容器具などで筋肉に負荷をかけすぎると無駄なシワの原因になることがあります。自然に笑う。これが一番良いと思います。

● シミ

シミに対してできることは、紫外線とブルーライトをできるだけ皮膚に当てないようにすることです。日陰を歩く、日傘をさす、ハイネックを着る、UVストールを羽織る、手袋をするなど、布で覆えるところは覆うとよいでしょう。物理的遮光が最も確実な方法だからです。その上で日焼け止めを必ず塗りましょう。薄く広げて伸ばすと思ったより効いていませんので、たっぷりと塗ってください。また日焼け止めは2-3時間すると効果が落ちるので、その都度塗り直す必要があります。曇っているからといって油断してはいけません。 前回「こする行為はシミのもと」というお話をしましたが、日焼け止めを刷り込むように塗って、こすって落とすと、日焼けは避けたはずなのに肌に無駄な炎症が生じてしまいます。前述のように物理的に遮光をして、皮膚から遠いところからのケアを取り入れると皮膚の負担を減らすことができます。

シミやシワがあっても、たるんでいても、恥ずかしいことではありません。 でも肌がきれいだと気分が上がりますよね。 次回は美容皮膚科でできるケアについてお話します。

野本真由美スキンケアクリニック 総院長 野本真由美 新潟市中央区万代1丁目3-7 NDK万代ビル2F TEL 025-247-8800 https://mayumi-beautifulskin.com/ 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医 日本抗加齢医学会認定専門医 日本東洋医学会認定 漢方専門医 薬学博士

新着一覧