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皮膚科専門医に聞く 美肌の守り方①「本当の美肌を知る」

カテゴリー 医療・介護美容・健康

「肌がきれいですね」と言われると誰でも嬉しいものですよね。でも、そもそも「美しい肌」とはどんな肌のことを言うのでしょうか。皮膚科専門医で野本真由美スキンケアクリニック総院長の野本真由美先生にお話しいただきました。

美肌の定義

「美しい肌」とは「健康な肌」のことです。医学的に言うと疾患のない肌。例えばシミは老化ではなく疾患です。また化粧水がしみている時点で、その肌は健康ではありません。では一番美しい肌はどんな肌かというと、子どもの肌です。赤ちゃんは産毛が多く、桃みたいな肌をしています。私たちは「フォギースキン」と呼んでいますが、霧がかかっているみたいでどこに毛穴があるのかわからない。色ムラがあるという意識すら感じさせない。子どもの頃は全員がこういう肌を持っていたはずです。

最近はツヤ肌という言葉を耳にしますが、テカテカした肌は赤ちゃんの肌には見られません。落ちにくい油性のメイクを塗って、しっかり落として、マッサージなどを繰り返すと、頬に赤みのあるテカっとした肌になることがあります。肌の正常なターンオーバーが行われると皮膚の表面には均一な凹凸(きめ)が現れますが、このきめが消失するとテカテカしてみえます。赤ちゃんの肌は凹凸(きめ)がきちんとあるふわっとした肌です。「赤・テカ」のリンゴ肌ではなく「白・ふわ」の桃肌を目指していきましょう。

炎症が皮膚トラブルを引き起こす

皮膚は内臓に対して「外蔵」で、唯一酸素に触れている臓器です。そのため、トラブルや老化のキーになるのは、「酸化」。酸化を引き起こすものひとつに炎症があります。顔が真っ赤になれば炎症が起きているとわかりやすいですが、毎日のスキンケアやメイク、マスクなどで摩擦が生じても微小な炎症は起きています。炎症による酸化は、しみやくすみを作りやすくなります。美しい肌は、炎症のない肌であると言っていいでしょう。

肌には腸内環境が影響する

私は免疫について学びたいと思って医学の道を選びました。免疫に関係する臓器というと腸と皮膚が代表ですが、治ったことがはっきり目に見える皮膚という臓器を専門にしました。8年間在籍した大学病院時代は、アトピー性皮膚炎の専門外来を担当していました。皮膚と腸は「お母さんが腸だとすれば、子どもが皮膚」という関係性にあります。免疫細胞の約7割は腸の近辺にいるので、腸がきれいだと皮膚もきれいになりやすい。だから皮膚だけを治療しても改善しにくい場合は、腸に問題がないかを問診しています。「食べ過ぎていないか」「食べているものは体に合っているか」「不足している栄養素はないか」など、食事を見直していきます。私は漢方専門医でもあるので、胃腸が弱い体質の方には漢方薬をお出しすることもあります。

最後に、「肌は品格を表す」という言葉をご紹介します。
肌がキレイだと、品が良く見えるという意味です。多少シワがあってもたるみがあっても、肌が美しいと元気にも見えると思います。元気とは、心身ともに健康であるということ。健康を追求した上で生み出されるのが、最も美しい肌ではないでしょうか。
次回は多くの人が抱える肌の悩みについてお話します。

野本真由美スキンケアクリニック
総院長 野本真由美

新潟市中央区万代1丁目3-7 NDK万代ビル2F
TEL 025-247-8800
https://mayumi-beautifulskin.com/

日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
日本抗加齢医学会認定専門医
日本東洋医学会認定 漢方専門医
薬学博士

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